頭蓋底部脊索腫による外転神経麻痺は手術でどうなるのか:ピッツバーグ大学の113例

公開日:

2025年4月21日  

最終更新日:

2025年10月16日

【背景】

脊索腫の35%は頭蓋底部に発生し(文献1),頭蓋底部脊索腫の最多の神経症状は外転神経麻痺である(文献2,3).ピッツバーグ大学脳外科は2001年以降の20年間に手術を行った頭蓋底部脊索腫症例113例(平均年齢45歳,女性43%,腫瘍平均径18.6 mm)を対象に,治療前後の外転神経症状につき解析した.腫瘍の局在は,斜台内39.8%,錐体-斜台移行部25.7%,トルコ鞍-蝶形骨18.6%であった.摘出度は肉眼的全摘76.1%,ほぼ全摘14.2%,亜全摘9.7%であった.摘出後の再発は25.7%で認められた.初診時34例が外転神経症状(完全麻痺9例,部分麻痺24例,評価不能1例)を呈した.