下垂体腫瘍(PitNET)への癌の転移:オハイオ州立大学の2例と報告例38例のシステマティック・レビュー

公開日:

2024年11月16日  

最終更新日:

2025年10月16日

【背景】

悪性腫瘍の下垂体への転移は稀で,全下垂体腫瘍手術症例の1%,全頭蓋内転移性腫瘍の1%以下とされている(文献1,2).それでも,国毎の集計では20-30年で数十例の数は上がってくる(文献3-5).
一方,本論文のテーマである悪性腫瘍の下垂体腫瘍(PitNET)への転移はさらに稀で,その病態は不明である.オハイオ州立大学脳外科は自験の2例を含む過去の報告38例のシステマティック・レビューを行った.
38例のPitNETの内訳は,FSH/LH産生腫瘍21%,ナルセル腫瘍18%,プロラクチン産生腫瘍18%,成長ホルモン産生腫瘍11%,ACTH産生腫瘍8%,FSH産生腫瘍5%,臨床的非機能性腫瘍18%であった.