妊娠中に症候化した脳動静脈奇形の臨床像と予後

公開日:

2025年3月28日  

最終更新日:

2025年10月16日

【背景】

妊娠中は,血圧上昇,静脈圧の上昇,心拍出量の上昇,エストロゲンレベルの上昇によって,脳動静脈奇形(AVM)の破裂リスクが高まる可能性があるが,それを否定する報告もある(文献1,2,3,4,5).
ヘルシンキ大学のPohjolaらは,フィンランドの妊娠-出産データベース(177万出産)とヘルシンキAVMデータベース(805例)から,妊娠中,分娩,産褥期(分娩後2-3ヵ月)に症候化したAVM28例(平均28.9歳)を抽出し,その臨床像,治療,転帰について解析した.28例のSpetzler-PonceクラスはA:46%,B:39%,C:19%であった.約半数(46%)が1インチ以下の小型AVMであった.