抗凝固剤服用中の患者の頭部外傷における凝固・線溶指数の経時的変化:本邦のThink FAST登録研究から

公開日:

2025年3月28日  

最終更新日:

2025年10月16日

【背景】

人口の高齢化とともに,外傷性脳損傷(TBI)患者の中で抗凝固剤服用中の割合が増えており,非服用者と比較して予後不良になることが知られている(文献1,2,3).しかし,受傷後の血液凝固・線溶指数の経時的な変化は充分にはわかっていない.日本脳神経外科学会などが実施したThink FAST研究は,2019年以降の1.5年間に入院した65歳以上の頭部外傷患者545例(平均78.9歳)の凝固・線溶指数の経時的な変化と頭蓋内出血の程度や予後との相関を解析した.GCS <8以下は22.4%であった.87例(16%)は受傷前に抗凝固剤を服用していた.抗凝固剤の内訳はVK拮抗薬35%,Xa因子阻害薬59%などであった.