公開日:
2025年3月28日最終更新日:
2025年10月16日【背景】
神経血管減圧手術(MVD)では,S状静脈洞の後縁を露出するために乳様突起後部を削らなくてはならない.この際に遭遇する乳突導出静脈からの出血は骨蝋の塗り込みで容易に止血し得る(文献1).しかし,骨蝋が乳突導出静脈からS状静脈洞まで迷入することがあり(文献2,3),稀に静脈洞の閉塞を起こすこともある(文献4).大阪 北野病院脳外科は,2012年からの約4年間にMVDが行われた421例のうち,再手術例,術後のCTでの導出静脈管の長さが1 mm以下の症例,骨蝋が直接S状静脈洞に迷入した症例(4例)などを除いた241例を対象にMVDにおける骨蝋のS状静脈洞への迷入の頻度とそのリスク因子について検討した.
ここから先は閲覧有料です。